記述式試験で高得点を取るための国語・英語の論述対策

マーク式と違い、記述式試験では「どのように考え、どう表現するか」が採点の中心となります。国語や英語では、内容理解の深さだけでなく、構成・文脈・論理展開までが問われるため、単なる暗記では通用しません。ここでは、国語・英語の記述試験で安定して高得点を取るための論述対策を体系的にまとめます。

1. 記述式試験の本質を理解する

記述式試験とは「本文を読んで思考を言語化するテスト」です。採点者は受験生が「理解したことを筋道立てて再構築できるか」を見ています。したがって、正確に要点をつかみ、根拠を明示し、自分の言葉で論理的に説明できることが必須です。

  • 国語:筆者の主張を支える根拠を本文から抽出する
  • 英語:設問に対し、根拠を示しながら英語で筋の通った文章を組み立てる

いずれの科目も「読解力+構成力+表現力」の三位一体で得点が決まります。

2. 国語の論述対策:「構造読解」と「要約の再構成」

国語の記述では、本文構造を読み解く力が最重要です。段落ごとの役割(問題提起・展開・結論)を押さえ、設問がどの部分を問うているかを特定します。たとえば「なぜ〜か」と問われた場合は、原因を本文中のキーワードと対応づけて再構成します。

書く際の基本構文は、以下の型を意識しましょう。

  1. 主張(問いへの直接的な答え)
  2. 根拠(本文からの抜き出しや言い換え)
  3. まとめ(筆者意図の再確認)

たとえば、「筆者はAを重視しているのはなぜか」という設問なら、「筆者はAを重視している。なぜならBという理由があるからであり、それによってCが可能になると考えている」と、論理を明確化します。1文を長くせず、根拠を明確にすることが採点上のポイントです。

3. 英語の論述対策:「論理接続」と「語彙の精度」

英語の記述問題では、内容理解に加えて、論理を英語で展開する技術が求められます。特に重要なのは、接続詞の使い方と、曖昧でない表現選択です。

  • 理由を述べるとき:because, since, due to
  • 対比を述べるとき:however, on the other hand
  • 結果を示すとき:therefore, as a result

文量が限られている場合は、「一文一主張」を原則とし、根拠を短くまとめること。採点者に読みやすい答案は、それだけで評価が安定します。文法よりも「論理の見えやすさ」を優先し、文構造を整理して書きましょう。

4. 「思考→構成→表現」の3段階トレーニング

高得点者が共通して行っているのは、書く前の構成作業です。いきなり書き始めるのではなく、まずメモで以下の3点を整理します。

  1. 問われている内容(What)
  2. 根拠(Why)
  3. 結論・主張(How)

これを10〜20秒で書き出してから文章化することで、答案の一貫性が格段に上がります。訓練として、過去問の設問を1日1問、構成メモだけ作る練習をおすすめします。

5. 模範解答の「型」を盗む

論述力はセンスではなく「型の熟練」です。過去問や模試の解答を分析し、採点者が評価している構成や言い回しを観察します。英語なら「理由→補足→結論」、国語なら「筆者の考え→根拠→意図」。この流れをテンプレートとして繰り返すことで、どんな問題にも対応できる「自分の型」ができます。

まとめ

国語・英語の記述式試験で高得点を取るためには、読解の構造理解・要約力・論理展開の型が鍵です。感覚で書くのではなく、問われ方に合わせて思考を組み立て、根拠を本文から引き出すこと。構成メモ→論理接続→簡潔表現という一連の流れを習慣化すれば、どんな設問でも安定した得点を取れるようになります。最終的な目標は「読めば書ける」ではなく「読んで考えて書ける」状態。今日から1日1問の構成トレーニングを始めてみましょう。

著者
元塾講師×学習戦略ライター
まなび屋レイ

元大手塾講師。教育メディアの記事執筆・監修を通して、最新の学習理論や教育トレンドを分析。現在は独立し、受験生や保護者に向けて「正しい努力の方法」をわかりやすく解説するブログを運営。

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