「解く順番」が合否を分ける!試験中の時間配分のコツ

「あと5分あれば解けたのに…」
そんな悔しい経験をしたことはありませんか?
実は、試験本番で高得点を取る人とそうでない人の差は、知識量ではなく“時間配分と解く順番”の戦略にあります。
どんなに勉強しても、時間を上手く使えなければ本来の力は出し切れません。
この記事では、限られた試験時間を最大限に活かす「時間配分のコツ」と「解く順番の戦略」を、実践的に解説します。

1. 時間配分が合否を左右する理由

試験中の失点の多くは、知識不足ではなく「時間切れ」によるものです。
焦りや順番ミスで得点できる問題を落としてしまうことも少なくありません。

■ なぜ時間配分が重要なのか

  • 簡単な問題に時間をかけすぎて、後半の難問に手が回らない
  • 焦って読み間違え・マークミスをする
  • 見直しの時間が取れず、ケアレスミスを防げない

逆に言えば、時間配分を工夫するだけで、知識量が同じでも得点が上がるのです。

2. 試験中の「解く順番」を決める基本戦略

解く順番には正解はありませんが、自分にとって最も得点効率の高い順を決めることが大切です。

■ ステップ①:全体を“1分で見渡す”

試験が始まったら、まず1分だけ使って全体をざっと確認しましょう。

  • 問題数・配点・難易度のバランスを把握
  • 「時間をかける価値のある問題」を見極める
  • 「これは後回し」と感じる問題に印をつける

ポイント: 最初の1分は“試験の地図を描く時間”。
焦って解き始めるより、この1分を取ることで時間の使い方が格段に安定します。

■ ステップ②:「得点しやすい順」で解く

試験では、「できる問題」から解くのが鉄則です。

  • 最初:確実に取れる基礎問題(ミスが少ない)
  • 中盤:やや応用・部分点が狙える問題
  • 最後:時間が余ったら挑戦する難問

序盤に“得点できる感覚”を得ると、緊張が和らぎ、集中力が持続します。
逆に、難問から入ると焦りが増し、全体のペースが崩れてしまいます。

■ ステップ③:後半10分を「見直し」に残す

多くの受験生が「最後の数分でマークを塗りつぶして終わった…」という失敗をします。
しかし、見直し時間を確保できる人ほど合格率が高いというデータもあります。

理想の配分:

  • 前半(60%の時間):確実に解ける問題を処理
  • 中盤(30%):やや難問や記述問題に挑戦
  • 後半(10%):見直し・マーク確認・漏れチェック

3. 科目別・時間配分のコツ

■ 国語・英語など長文読解科目

  • 最初の数分で全体構成をつかむ
  • 設問先読みで“読む目的”を決めてから本文へ
  • 時間を決めて読む(例:長文1つに15分など)
  • 読解→設問→確認のリズムを一定に保つ

ポイント: すべてを精読する必要はありません。
設問に関係のある部分を中心に読む“選択的読解”が鍵です。

■ 数学・理科など問題数が多い科目

  • 計算問題・基本問題を優先(配点が高く時間効率も良い)
  • 難問に入る前に「部分点が取れる箇所」を見極める
  • 見直し時間をしっかり確保

ポイント: 「わからない問題に3分以上かけない」など、自分ルールを作ると効率が安定します。

■ 社会・暗記系科目

  • 1問ごとに迷いすぎない(勘で選んでもOK)
  • わからない問題に印をつけて後で戻る
  • ケアレスミス防止のため、最後に全体チェック

迷い続ける時間こそ最大のロス。
「一度飛ばして最後に戻る」習慣が、時間管理の基本です。

4. 時間配分を体で覚える練習法

■ ① 模試・過去問で“タイマー練習”をする

過去問を解くときは、必ずタイマーをセットして実戦形式で行いましょう。
「あと◯分ならどれくらい進めるか」を体感的に覚えることが、本番での冷静さにつながります。

■ ② 「1問にかける理想時間」をメモする

たとえば50分で25問なら、1問あたり2分。
難問に5分かけるなら、ほかの問題を1分で処理しなければなりません。
“1問=何分”を意識することで、試験全体のリズムが整います。

■ ③ 途中経過をチェックする習慣

試験中、「あと半分で残り30分」といった形で時間の進みを確認するクセをつけましょう。
時計を見るタイミングを決めておくだけでも、時間オーバーを防げます。

5. 試験本番で焦らないためのメンタル術

■ ① 「焦り」を感じたら一度ペンを止める

焦っても頭の回転は速くなりません。むしろ判断ミスが増えます。
3秒だけ深呼吸してから、“今できること”に意識を戻しましょう。

■ ② 難問に出会ったら「ラッキー」と思う

難しい問題は、みんなが落とす問題。
「ここは差がつかない」と割り切ることが、本番での勝ちパターンです。

■ ③ 「見直しタイム」を信頼する

解いている途中で「確認したい」と思っても、今はスルーしてOK。
後半10分の見直し時間で丁寧に対応すれば十分です。

6. 「時間配分」を味方につけるチェックリスト

  • [ ] 試験開始1分で全体を確認する
  • [ ] 確実に解ける問題から着手する
  • [ ] 難問は印をつけて後回しにする
  • [ ] 後半10分を見直しに確保する
  • [ ] 模試や過去問で時間感覚を練習している
  • [ ] 焦ったら一度深呼吸してリセットできる

まとめ

試験で勝つのは、「全部解ける人」ではなく、「時間をコントロールできる人」です。
解く順番・時間配分・メンタルの切り替え――この3つを意識するだけで、実力を最大限に引き出せます。
焦らず、落ち着いて、戦略的に。あなたの努力を結果につなげるのは、“時間の使い方”そのものです。

著者
元塾講師×学習戦略ライター
まなび屋レイ

元大手塾講師。教育メディアの記事執筆・監修を通して、最新の学習理論や教育トレンドを分析。現在は独立し、受験生や保護者に向けて「正しい努力の方法」をわかりやすく解説するブログを運営。

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