受験直前1週間でやるべきこと・やってはいけないこと

いよいよ受験直前――この1週間をどう過ごすかで、結果は大きく変わります。
「最後まで詰め込みたい」「まだ不安が残る」と焦る気持ちは当然ですが、この時期に大切なのは“伸ばす”より“整える”ことです。
この記事では、受験直前1週間の「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を、学習・生活・メンタルの3つの視点から具体的に解説します。

1. 学習面:やるべきこと

■ ① 新しいことは始めない ―「確認と安定」を重視

直前期は新しい単元や教材に手を出すのではなく、「これまでの復習」に集中しましょう。
新しい知識を詰め込むと、脳が混乱して本番でミスを誘発するリスクがあります。

  • これまで使ってきたノート・問題集を総チェック
  • 苦手分野を「要点だけ」まとめ直す
  • “できる問題”で自信を再確認する

この時期に大切なのは、「自分はここまでやってきた」という安心感を作ることです。

■ ② 本番形式の演習で“感覚”を慣らす

過去問や模試を「実際の試験時間」に合わせて解く練習をしましょう。
時間配分・解答順・マークミス防止など、“当日の流れ”を体に覚えさせることが目的です。

  • 午前・午後のスケジュールを本番に合わせて調整
  • 時計を使ってペースを確認
  • 1日1科目ペースで“最終リハーサル”を行う

■ ③ 暗記の最終チェックは「朝」と「寝る前」

人間の記憶は、睡眠前と起床後の復習で定着しやすいとされています。
このゴールデンタイムを使って、英単語・歴史年号・公式などを短時間で確認しましょう。

ポイント: 「全部見直そう」とするのではなく、「よく間違える部分だけ」に絞ることで効率が上がります。

2. 学習面:やってはいけないこと

■ ① 新しい参考書・教材に手を出す

「最後にこれもやっておこう」と思って新しい教材を開くのはNG。
今の知識を不安定にし、混乱を招く可能性があります。
“信じる教材を最後までやり切る”ことが最善の戦略です。

■ ② 夜通しの勉強・睡眠不足

脳は睡眠中に記憶を整理・定着させています。
睡眠不足のまま試験を迎えると、集中力・判断力・記憶力が低下し、これまでの努力が無駄になりかねません。

  • 就寝は遅くとも24時まで
  • 6〜7時間の睡眠を確保
  • 試験時間に合わせて体内時計を調整

■ ③ SNS・ニュースを見すぎる

他人の投稿や情報に触れることで、不安が増すことがあります。特に「〇〇大学の過去問難しい」「みんな勉強してる」などの情報は、メンタルに悪影響です。
この時期は「情報遮断」も立派な戦略です。

3. 生活面:やるべきこと

■ ① 生活リズムを本番に合わせる

試験開始時間に合わせて「脳が最も活発に働く時間帯」を調整しておきましょう。
たとえば9時に試験が始まる場合、1週間前から毎朝7時に起きて頭を動かす練習をします。

■ ② 食事・水分で集中力をサポート

  • 朝食は炭水化物+たんぱく質(例:ご飯+卵+味噌汁)
  • カフェインの摂りすぎに注意(緊張を高める可能性あり)
  • 水分はこまめに摂取(脱水でも集中力は低下)

■ ③ 前日には試験の持ち物を確認

試験当日の朝に慌てないよう、前日のうちにチェックリストで準備しましょう。

  • 受験票・筆記用具・時計・昼食・ハンカチ・ティッシュ
  • 交通手段・試験会場の地図
  • 予備のマスクや飲み物

4. 生活面:やってはいけないこと

■ ① 生活リズムを崩す

夜型のまま試験を迎えると、本番で眠気が襲ってきます。
「朝型の体」にリズムを戻すのが、この1週間の最重要ポイントです。

■ ② 食生活を変える

直前に「栄養ドリンク」「カフェイン」「サプリ」を急に取り入れるのは逆効果。
胃腸がびっくりして体調を崩すこともあります。
普段どおりの食事で安定を保ちましょう。

5. メンタル面:やるべきこと

■ ① 「自分を信じる」練習をする

ここまで努力してきた自分を信じること。それが最強のメンタル強化法です。
「大丈夫」「ここまでやってきた」「焦らなくても実力は出せる」と、肯定的な言葉を毎日自分にかけてあげましょう。

■ ② 成功イメージを描く(ビジュアライゼーション)

試験会場で落ち着いて問題を解く自分、合格発表で笑顔になる自分を想像しましょう。
脳はイメージしたことを現実と区別できないため、自信と安心感が自然に生まれます。

■ ③ 不安は「紙に書いて整理」

不安を頭の中で抱え続けると、エネルギーを消耗します。
ノートに「今心配なこと」と「できる対策」を書き出すことで、思考が整理されて心が軽くなります。

6. メンタル面:やってはいけないこと

■ ① 他人と比較する

この時期に「〇〇はまだ勉強してる」「自分は遅れてる」と感じるのは禁物。
他人と比べても焦りが増えるだけで、集中力は下がります。
比較すべき相手は、“昨日の自分”だけです。

■ ② 不安を無理に消そうとする

不安は誰にでもあるもの。無理に「不安にならないように」とすると、逆に不安が強くなります。
「不安がある=本気で取り組んできた証拠」だと受け止めましょう。

まとめ

受験直前1週間で最も大切なのは、「整えること」です。
新しいことを詰め込むより、これまでの努力を信じ、心と体のバランスを整えることが合格への近道。
十分な睡眠、適度な復習、そして自分への信頼。
その3つが揃えば、当日は自然と実力を発揮できるはずです。
焦らず、自分のペースで、静かに勝利の一週間を迎えましょう。

著者
元塾講師×学習戦略ライター
まなび屋レイ

元大手塾講師。教育メディアの記事執筆・監修を通して、最新の学習理論や教育トレンドを分析。現在は独立し、受験生や保護者に向けて「正しい努力の方法」をわかりやすく解説するブログを運営。

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